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zoom RSS TVドラマの原作にふれて・・・

<<   作成日時 : 2010/08/23 20:29   >>

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画像<8月15日、終戦記念日の深夜。静まり返った東京駅のホームに、ダイヤには記されていない1台の軍用列車が到着した。

 そこに乗っていたのは、60余年前のあの戦争中、南の海で玉砕し、そのまま海に沈んだ英霊たちだった。彼らの目的は、平和になった故郷を目撃すること。
そして、かの海にまだ漂う数多の魂に、その現状を伝えることだ。永年夢見た帰国の時。故郷のために死んだ彼らは、今の日本に何を見たのか……。>

今夏、終戦記念日の前日に放送された、こんなテレビドラマを見た。
脚本家・倉本聰氏が、棟田博の短編小説「サイパンから来た列車」に感銘を受け50年以上温めてきた作品である。テレビ放映がきっかけで、原作を手にした。

原作「サイパンから来た列車」の初出は、「面白俱楽部」昭和30年10月号での掲載で、その後、棟田博兵隊小説文庫7「サイパンから来た列車」(光人社:挿入表紙絵)として昭和49年に出版されている。
テレビドラマでは戦後65年という設定になっているが、原作では戦後10年目、つまり1955年(昭和30年)である。

「発表された当時、たいへん世評の高かったものである。これは、棟田作品の代表作の一つ、というよりも、戦後における戦記文学の中での、記念碑的作品の一つ、ということになるだろう。まことに真率の思いのこもった作品というべきである。」
 上記文庫の解説を担当した伊藤桂一氏は、こう語っている。

原作の冒頭で記載されているが、今や220万人にも達している東京駅の一日の乗降客数は、当時はざっと80万人だという。東京の街の風景、英霊たちの訪れた先の状況は、戦後65年の設定のテレビドラマと戦後10年目の原作とでは、まさしく隔世の感ありである。

そんな中で、脚本家倉本氏が、原作から読み取った問題意識とは、「こんな、だらしのない、腰の抜けてしまった日本には、さらさら用はない。おれはサイパンに永久に居るつもりなんだ。」と原作に記されているメッセ−ジではないだろうか。(上記文庫P314)

「戦後十年目の日本人と、戦後六十余年たった現在の日本人の生き方、心情は、それこそ極端に変わってしまった。戦後十年目に帰還した英霊は、日本の復興を喜んだかもしれないが、あれよあれよという間に、経済と科学文明の中で己を見失って狂奔している今の日本人の姿を見たら、一体、彼らは何を想うのか。怒りと悲しみと絶望の中で、ただ唖然と立ち尽くすのではあるまいか。

その六十余年を生きて来て、そうした変化にずっと立ち会ってきた僕ら自身でさえ、この急激な変量の中で唖然と立ちすくんでいるのだから、六十余年の空白を経て浦島太郎のようにこの国に戻り立った英霊たちの驚愕は、想像するに余りある。これは鎮魂のドラマであり、怒りと悲しみのドラマでもある。」
                (テレビドラマの脚本家倉本氏コメント)

原作に立ち戻ることにより、あらためてドラマや演劇を通して脚本家がより深く、鋭く提起している問題意識を感じ取れる内容だった。

 *テレビドラマ          http://www.tbs.co.jp/kikoku2010/intro.html
 *演劇 (富良野演劇工場)  http://www.furanogroup.jp/engeki/index.html

サイパンから来た列車
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棟田 博

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