時を越えてきらりと光る一冊!(その2)
「時を越えてきらりと光る一冊!」について「市民の図書館」(1970)とともに、今日のわが国における公共図書館の流れを決定づけた一冊。図書館界では「中小レポ-ト」と呼ばれる。
一般向けでも、単なるマニュアル本やハウツウものでもない。
そのタイトルが示すように、図書館運営にあたっての問題提起の書である。
「平和で民主的な文化国家は、真理を愛する国民ひとりひとりの、自由な思考と判断とを基礎として創出され、国民の自由な思考と判断は、国民の知的自由と知識の媒体である、図書その他の記録資料が、国民に積極的に確保されることによって可能となる。(中略)
図書館は、まさにこのような国民のために知識の糧を供給する任務を担う、文化教育の必須宇不可欠の機関として位置づけられるべきである。」(序論の冒頭より)
また当時(1963)の問題意識を、このとりまとめに当たった事務局スタッフがその序でこう記している。
「近代公共図書館がわが国に移入されてから、90年になる。(中略)今日全国各地に立派な近代的建築の粋を誇る図書館が出現し、見た目は甚だ華やかである。
しかし心して見るならば、日本の公共図書館は日本の風土に合った働きを必ずしも十分にしているわけではなく、「地域社会の民衆との直結」という点では、大いに反省しなくてはならない状態である。」
その後40数年の激しい社会環境の変化を経て今なお、この書が指し示す眼差しは、輝きを失っていない。
先人のライブラリアンたちの熱き思いを少しでもくみ取れればと思う。
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