“今”の視点からの世界史
「30年ほど前に高校時代に習った世界史と、今の世界史がどう違うか」そんな問題意識から、定年を控えた現場の教師たちがとりまとめた書である。
大学受験で日本史とともに世界史を選択した私にとって、
高校で学んだ世界史は今なお印象に残っている。
もちろん年代や名前、地名を詳細に記憶しているわけではない。
今では真っ白といっていい。
しかし、担当教師の熱い語り口ととともに、
歴史のダイナミツクなうねりのようなものをなんとなく体が覚えている感じだ。
書棚の片隅には、当時の教科書や参考書、ノ-トがホコリをかぶって残っている。
古代オリエント史/古代ギリシア・ローマ史/インド・東南アジア史/ 東アジア・内陸アジア史/イスラーム史/ヨーロッパ中世史/ヨーロッパ近世史/ヨーロッパ近代史/アジア近代史/20世紀の歴史
「現代とは、世界中を席巻する文明に対して、世界各地域の自然や人間が長い時間をかけて歴史的に作りあげてきた文化が、その見直しを求められている時代であるといえよう。
文明は利便性・効率性などを追求し、進歩を主張する。18世紀に予感され、19世紀には確信となった「進歩の観念」も今や揺らぎ始め、進歩は絶対的な価値ではなくなった。それが歴史的現在である。」
本著最終章「20世紀の歴史」のむすびのメッセ-ジである。
近年、世界史研究の新たな成果が相次いで出版されているとのこと。
○「世界の歴史」(全30巻) 中央公論社 1990年代
○「講座世界歴史」(全29巻) 岩波書店 同上
○「中国の歴史」(全12巻) 講談社 2004~
○「興亡の世界史」(全21巻) 講談社 2006~
こうした文献でも、歴史の見方の変化があるそうだ。
いつかゆっくり時間をつくって、世界の歴史を“今”の視点から見つめ直してみたいと思う。
そんな気持ちにさせてくれる一冊である。
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