都市の歴史
「タイムマシンに乗って、さまざまな時代の都市の変遷を眺める。」そんな言葉がぴったりの本です。
「バルミは過去に実在したこともなく、将来も存在しない想像上の都市である。しかし、この想像上の都市は、イタリアからスペインにかけての地中海沿岸地方のどこかに生まれたかもしれない都市なのだ。」
本書のはじめにで、こう書かれている。つまり“架空の都市”である。
とはいえ、精緻に描かれたイラスト絵は、とてもリアルな実感で迫ってくる。
最初の農民たち/ローマ軍の野営地/ローマ帝国が築いた町/
外敵の侵入/封建時代/ 中世の都市/商業の発達/
ルネサンスの都市/城塞都市/啓蒙主義と産業/
蒸気機関の時代/郊外への拡大/近代的な都市/未来に向かって
タイトルが示すように、本書第1巻に、次のようなシリ-ズが続く。
・第2巻 レベック:北海に面した港町。中世にはハンザ同盟に所属
・第3巻 サンラフェル:中米ユカタン半島の都市 マヤ文明の伝統と征服者であるスペインの文化が混交
・第4巻 ウム・エル・マダヤン:北アフリカのイスラ-ム都市
本書を知るきかっけとなった『世界史読書案内』の著者は、こうコメントしている。
「このシリ-ズがヨ-ロツパだけに限定されていないことがうれしい反面、東アジアや東南アジアの都市も取り上げてほしいなあ、と思ってしまうのはないものねだりでしょうか」と・・・。
であれば、東アジアや東南アジアの都市の歴史こそ、日本人の手によって描かれるべきではないか。
そんな思いを抱きつつ、いつしか実現できることを期待したい。
いずれにせよ、「百聞は一見にしかず」。
ゆっくりペ-ジをめくりながら、歴史という時の流れ(積み重なり)を体感されてはいかが?
*「世界史読書案内」 津野田興一 岩波ジュニア新書 2010.5


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